君が嫌いな君が好き

Travis Japanが大好き♡ 

当たり前だと思っていた彼の存在

 

 

将来を約束されていないジャニーズJr.という環境の中で、グループに所属し、舞台にも立ち、決して悪くはなかった自分の位置を敢えて蹴ってまで選んだ自分の道。

 

私はいつも自分と年の近い彼に、自分の姿を重ねて見ていたのだと思う。私は小学生の頃から何となく「学校の先生になりたい」と思い、他に自分のしたいことを探すのが面倒だという理由で教育学部を選び、春からは教壇に立とうとしている。

 

大学在学中に、私は人生で初めて「建築士になりたい」という夢を持った。大学を中退するか、編入試験を受けて建築の道に進もうとした。もう一度センター試験を受けるために参考書も買い直した。苦手な数学とも向き合った。しかし、いざ、自分の背中を押してくれていた家族や恩師のことを考えると、果たして今の自分の立場を壊してまで建築の道に進むことが本当に正しいのかわからなくなった。結局私は自分の夢を諦めて、安定した職を選んでしまった。

 

それこそ芸能界のような華やかな世界と比べるのもおかしいかもしれないが、一生懸命な彼の姿はいつも中途半端な私にはとても眩しかった。周りの信頼を裏切ることが怖くて、自分の将来ひとつ決められない自分の姿が惨めに映った。そして今日、彼はまた更に眩しい場所に向かおうとしている。

 

もう私には見えないかもしれない、ずっとずっと高い場所へ。

 

 

なめらかなダンス、圧倒的な表現力、ひょうきんな表情。私が見ていた彼の姿は、彼が精一杯演じていた彼の姿の一部なのかもしれない。

 

でも、私が彼の笑顔に支えられていたという事実は変わらない。

 

 

 

 

 

 

本当は辞めないで欲しかった。

 

これからアルバイトがあるのにもかかわらず、私は今も泣きながらパソコンに向かっている。抑えきれない思いを吐き出さないと、私はグループから離れていった彼の存在を憎んでしまう。残されたメンバーのことを思うと、今まで支えてくれていた最年長がグループを去ることは、精神的にもパフォーマンス的にも不安定になるかもしれない。「辞めないで」という言葉が私のエゴの押し付けであることは頭では十分理解している。私がいくら泣いて叫んでSNSで泣き言を呟いたって、彼は戻ってこないこともわかっている。

 

私はTravis Japanがまた9人でステージに立つことができる日を本当はずっとずっと願っていた。顕嵐くんがLove-tuneでの活動が中心になっても、いつかはまた9人で、最高の笑顔で踊る姿を見て、私も笑うことができると信じていた。9人の『Shelter』が、9人で踊る『It`s BAD』がもう一度見たかった。

 

今年、初詣に行ったときの絵馬にも『トラジャがまた9人でステージに立つことができますように』とお願いした。私は自分の進路も不安定なのに、いつも今いる自分の場所よりも、ずっと眩しいところを目指す9人の夢を一緒に追いかけたかった。たくさんあるジュニアのグループに埋もれないように、泥臭くも必死なトラジャが大好きだった。キャリアは長いのにオリジナル曲をもらえていない事に不貞腐れるのではなく、ただ前を見て、自分たちの武器であるダンスを大切に、追いつけ追い越せ精神を持って時には本気でぶつかり合うトラジャの姿に刺激を受けた。

 

顕嵐くんはいつかトラジャに帰ってくるかもしれない。また弟組5人のパフォーマンスが見られるかもしれない。それは顕嵐くんがジャニーズにいる限り、0%ではない。でも、ヒロキは戻らない。どんな奇跡が起こったとしても、Travis Japanは「8人」にしかならない。

 

しかし、それはきっと、彼自身が決めたことだ。私には、どうしようもできないこと。

 

だから、私は涙を拭いて、笑って彼を送り出すことに決めた。まだ私は「7人」になってしまったトラジャを心から受け入れられてはいない。「いつか戻ってきてくれるんじゃないか」という甘い夢ばかり見てしまう。でも、彼にはそんなファンの心情に雁字搦めになってほしくない。

 

「辞めないでほしい」「トラジャを離れないでほしい」とトラジャを応援している人たちが思うのは、みんなヒロキのことが大好きだから。私たちに笑顔や勇気をたくさんくれたヒロキが信じる道を、心から祝福し、幸せになってほしいと願うから。

 

 

今まで、Travis Japanのメンバーとしてステージに立ち、たくさんの笑顔をくれてありがとう、ヒロキ。